私たちのオフィスの基本的姿勢は「来談なさる方に、できるだけお役に立つ」ということです。
「当たり前でしょ?」と思われるかもしれません。
けれども、世の中のカウンセラーや精神科医には、残念ながらそうは思えない人がかなりいます。
「来談なさる方に、できるだけお役に立つ」という姿勢でいると、当然、心理療法やカウンセリングのやり方は、学派や流派にこだわらない「統合的な」ものになっていきます。
つまり来談者を「特定の方法に当てはめる」のではなく「来談者に合わせて、心理療法をアレンジする」のです。
例えば福島の場合は、ユング心理学や精神分析的な方法を基本としながらも、いわゆる「発達障害」傾向のある方には、ゆっくり話し合った後で「きわめて具体的なアドバイス」もいたします。その延長で「具体的で可能な行動計画」なども一緒に立てていくこともあります。
反対に「認知行動療法をやって欲しい」とお出でになる方には、もちろん始めは認知行動療法をやりながら、本当の問題は「家族関係」だったり「生育歴上のトラウマ」である場合は、話し合いながら「家族面接」を導入したり、反対に「精神分析的」な取り組みや、最近日本にも紹介され始めた「スキーマ療法」に移行していったりします。
これを「カスタマイズした心理療法」とか「心理療法をカスタマイズする」といいます。
つまり、「オーダーメイドで洋服を仕立てる」「その人の身体に合わせて洋服を仕立てる」というのと同じように、「その人の悩みや性格傾向に合わせて、一番合った心理療法を組み合わせる」というものです。
「カスタマイズ」&「コーディネート」と言った方がさらにわかりやすいかもしれませんね。
「え、それってカウンセラーがよっぽど名人じゃないとできないのでは?」という質問を良く受けます。
心理療法とカウンセリングのことが大好きで一杯勉強した、「少し器用な」タイプのカウンセラーであれば、可能です。
うちのカウンセラー達は、経験年数こそいろいろですが、全員がこのような人です。
「じゃ、クライエントのどこをどう見立ててカスタマイズ&コーディネイトするの?」
はい、最も重要な質問です。
これについては、詳しくは福島の著書や論文をご覧いただきたいですが、このブログでも少しずつ書いていきたいと思っています。
(つづく)
chie (水曜日, 23 4月 2014 23:33)
2年通ったクリニックのカウンセリングの先生が急にやめました。それを私は予約して到着した診察室で知らされました。理由は個人情報だからと言って教えていただけませんでした。月に一回のその日を唯一楽しみに苛酷と感じる日々をやり過ごすことができていました。2年の感謝が恨みに変わりつつあります。金曜日だけ通っていらっしゃる先生でした。小さなクリニックだから、引き留められないと院長先生はおっしゃいました。ここは心を扱うところでは無いのですか。そう言えずに、急にやめた理由が私にあるのではないかと、気づくとあれこれ考えています。でも先生も人間。患者に合わせて疲れることだってありますよね。そう思わないとダメなんですよね。
成城カウンセリングオフィス (金曜日, 25 4月 2014 23:21)
chieさま
それはお辛いですね。
30年もこの仕事をしているとたまに聞く話ではあります。
でももう少し事前に伝えていただくか、何らかの理由を話して欲しいですよね。
今回の事態も何通りかの理由を想像できますが、chieさんにその原因があるということは、まずありえないと思いますよ。
chie (火曜日, 13 5月 2014 20:34)
コメントへのお返事をありがとうございました。素直に嬉しいと思いました。担当の先生が辞めた理由が私に原因があるということはありえない、という言葉には寂しい感じを持ちました。わかっているんです。どんなお返事をいただいても、私は、辞めた先生に直接会いたいだけ。会ってきちんとご挨拶して区切りをつけたいだけ。だって、月に一回のカウンセリグは楽しみでしたもの。楽しみを待つ、カウンセリグの日を待つことが、どんなに毎日を送る元気になったことか。そんな大切なお仕事を先生はしていたんです。きちんと、直接ご挨拶したかった。ただそれだけです。