カウンセラー(臨床心理士・公認心理師)江部
今年も新しい年が始まって、1ヶ月が終わろうとしています。
「毎日があっという間に過ぎていくな~」と私は感じています。
(みなさんはどうでしょうか?)
そんな風に毎日を送っている訳ですが、私は定期的に思うことがあります。
「あれ、このままでいいんだっけ?」
目の前のことに追われて、大事な決断を後回しにしていないかな?
淡々と言われたことを受身的にしているだけになっていない?
私のしたいことは、本当にこれでいいの?
元々好奇心旺盛な性格であり、なおかつ飽きっぽい私…
いろんなものに目移りします。
思考もあっちに行ったり、こっちに行ったり。
友人に話すと、「生き急いでいるだけじゃない?」なんて言われます。
そして、いろんなアイディアが浮かんでは、行動が伴わず消えていきます。
考えはするのに、行動には移さない自分、行動に移したとしても継続できない自分に気づき、嫌気がさします。
そういう時は、決まって成功している人、輝いている人が羨ましくもなりますし、足踏みしている自分に猛烈に苛立ちます。
納得がいっていないのに、目の前のことをしなければならない、と感じている時にも
「あれ?このままで本当にいいんだっけ?」と私が、私に質問をします。
もちろん、社会に適応するために、自分を後回しにせざるを得ない状況もあると思っています。
心に生じる違和感にいちいち反応していたら、心がもちません。
そういうときに、私たちは自分の気持ちを意識下に押し込めたり、蔑ろにして大切にしないまま置き去りにしたりすることに慣れてしまっています。
つまり、感情の動きに鈍感になっています。
でも、このような思考が出てきたときは、「セルフ・カウンセリングの出番だ!」と思うようにしています。
最近では、セルフ・ケアがよく話題になりますが、セルフ・ケアと同時に、しっかりと自分を振り返るセルフ・カウンセリングも大切です(似ているようで、ちょっぴり違います)。
このような時は、一度頭の中を空っぽにして、自分に何が起きているのかを感じます。
頭で考えようとするのではなく、今自分の心に何が起きてしまっているのか、そこに留まって感じます。
「なんか窮屈な感じ」「身体に力が入っていて疲れる感じ」など、なんでもいいです。
感じようとしても、感覚に集中できないときもあります。
思考優位になって、頭の中が忙しくなっている状態の時です。
そういう時は、紙に書き出します。
何も考えずに、ひたすら思いのままに、心の声を書きまくります。
セリフでもいいですし、自分への質問でもいいです。
大切なのは、蓋をしていた気持ちに気づくこと、外に出してあげることです。
そんなことをしているうちに、自分のモヤモヤした感覚が何だったのか、だんだん理解できていきます。
(私の場合は、たいてい主導権が自分になく、人から言われて何かを「させられている」と感じたときにこの現象が生じるな、と思います)
日本ではカウンセリングというと、まだまだ「病んでいる人、心が弱い人が受けるもの」というイメージを持たれがちだと感じることが多い一方で、先進国アメリカでは、カウンセリングの敷居が低く、「精神疾患を治すため」というイメージよりも、心の調子を整えるためのメンテナンスとして、受ける人の方が多いです。
「病んだ人が受けるもの」というイメージから、むしろ病まないために受ける予防として位置づけられていると言っていいでしょう。
「今の自分って、こうなのかもしれない」という気づきの積み重ねが、心の栄養になり、自己成長に繋がります。
もし、今日紹介したセルフ・カウンセリングが上手くいかなければ、ぜひ一緒に取り組んでみませんか?
一人でも多くの方の自己実現のお手伝いができたら嬉しいです。