●教育分析(訓練分析・教育カウンセリングとも言います)
:夢分析や描画療法を中心とする分析心理学(ユング心理学)的な教育分析
: 統合的な心理療法を駆使した教育分析
(以上、どちらも所長の福島か40代~70代の臨床心理士が担当)
※当オフィスが提供する教育分析は、ユング派や精神分析の国際資格取得のための正規の教育分析にカウントされませんのでご注意ください。福島は正規のユング派分析家による100時間超の教育分析やAEDP™️のimmersionやES1その他のトレーニングを受けてきていますが、福島自身は国際分析家資格を取得しておりません。
●ケース・スーパーヴィジョン(SV):以下の各種のSVをそれぞれのエキスパートがおこなっています。特に中断率を下げるためのSVとして自信を持っています!
【教育相談】教育相談室に20年余勤務した臨床心理士によるSV
【スクールカウンセリング】ベテランスクールカウンセラーによるSV
【心理療法】統合的心理療法(CBT,EFT,AEDP™️などをケースに合わせて取り入れた心理療法)を実践するためのSV
【医療機関や開業型カウンセリング機関での実践】
【発達支援やそのための保護者面接】
【学生相談】
【学会発表・論文執筆】事例研究を中心とした学会発表や論文投稿のためのケース指導と論文指導(福島)
(解説)
本物の心理臨床家になるためには、継続的なケース・スーパーヴィジョン(SV)と教育分析が必須です。SVは自身の実践における歪みや偏り、自信のなさ(まれに自信過剰?)を修正するものですし、教育分析はセラピスト自身が抱える心の問題(コンプレックスやトラウマ等)を乗り越えて、自分なりのテーマを明確化する作業です。
SVを継続的に受けることで、確実に技量が上がり、中断や失敗事例が激減します。また、教育分析を継続的に受けることで、プライベートを含む日々のストレス対処やトラブル対応が上手になるだけでなく、「自分がなぜ、何を求めてこの仕事を選び、今後どうしていきたいと思っているのか」という人生上のテーマや課題も明確化されていきます。
心理療法の技法は「自分がその技法によるセラピーを受けてみる」ことによって、初めて身につくものです。そのためにも、各種の技法を統合的に受けてみることで、本格的な心理療法家への道が開かれていきます。公認心理師や臨床心理士、あるいは国際的な資格取得とは別に、心理療法家としての成長のために、SVや教育分析を受けることをお勧めします。
どちらも大学院修士課程修了後の本格的なトレーニングといえます。
⭐️臨床家のトレーニングに関する福島の基本的な考え方は以下の文献にも書きました。https://psych.or.jp/wp-content/uploads/2017/10/71-21-22.pdf
※若手の育成に集中したいため、福島がお引き受けするのは原則として40歳までの方とさせていただきます。また、医療・開業・大学(学生)相談の現場の方を優先させていただきます。
「統合的SVとは」
所長の福島が現在実施しているSVは、上記の「統合的な心理療法を実践するためのSV」です。これは、Clとの関係性を基本にしながら、事例のアセスメントとクライエントご本人のニーズや抵抗に合わせて、どのような技法を適用すべきかを丁寧に検討しつつ進めていくSVです。
そのためには、複数の事例を同時進行的にSVするやり方となります。(ただし、しばらくは一つのケースをじっくりやるというのももちろん歓迎です)
福島の考える統合的な心理療法については、以下のコラムをご参照ください。
SVでは以下のような資料を事前に作成してください。
この資料をもとに指導するのが基本となります。
(ただし、セッション録画がある場合はこの限りではありません)
【ケース概要】(初回のみ)Clの年齢性別、主訴、家族構成等 (2回目以降)【前回のSVでのコメント】箇条書きで数行 (2回目以降)【前回のSVへの疑問と感想】 【今回のセッションの内容】 A4用紙で3~4枚程度に。ただし逐語の場合はもっと長くてもよい。
【セッション後の感想】
【AIP】(以下の3項目に分けて、数行ずつ書いてください) A・・・今回のClの状態のAssessment、 I・・・今回ThがおこなったIntervention P・・・今後のPlan
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以下のような先行研究に即していえば、福島のめざすSVは大学院生などの初心者には下記の1)を中心に、そしてそれ以降は2)~3)を中心に進めていっています。
さらにその下にある、ヴァイザーとしての私の成長は、[4]を目指している途上というべきでしょうか?
心理臨床におけるSVはFriedlander & Ward(1984)によれば以下のいくつかのスタイルがある。
1)親しみやすさ、類似性、好ましさなどの要素をもち、サポーティブで 同僚間のような「 魅力的なスタイル(attractive style)」。
2)精神力動的アプローチやヒューマニスティック・アプローチによる SVで、関係指向的、敏感かつ直観的で、思慮深く臨機応変さなどを特徴とする「対人関係に敏感なスタイル(interpersonally sensitive style)」。
3)認知行動療法に代表されるような、目的指向的で、時間的にも構造化された「課題に焦点化したスタイル(task-oriented style)」。
これらは例えば大学院生の訓練課程であればtask-oriented styleが interpersonally sensitive styleよりもより効果的であり、現場における研修生(intern)対象にはinterpersonally sensitive styleの方がtask-oriented styleよりもより効果であるとしている。
また、SVorの成長モデルとして代表的なものに、Watkins(1994)によるモデルがある。これはSVorの状態を以下の4つの段階に分けて、その発達過程を整理しているものである。
[1]役割ショック期:不安、困惑、混乱状態で、見せかけのSVorのように感じ、SVに自信がもてないため、他者からの大きなサポートを必要とする状態。
[2]役割回復・移行期:SVに対しできることや強みをある程度認識し、SVorとしてのアイデンティティの中核が形成され始める状態。不安や困惑、混乱はやわらぐが、認知面と感情面では安定していない状態。
[3]役割強化期:さらに現実的な自己観、SVの影響の認識を高め、アイデンティティの中核部分も固まってくる。安定し、一貫した状態で安心感をもて、理論に基づく対応もでき、SV関係における転移、逆転移、並行プロセスを認識し対応できる状態。
[4]役割熟練期【マスター・スーパーバイザー】:もっとも高い認識やスキル、アイデンティティに到達し、卓越した一貫性や安定性、統合化がなされているSVを生涯学び続ける経験としてコミットし、SV関係における転移、逆転移、並行プロセスへの対応が非常に長けている状態。
【参考文献】
Friedlander, M. L.& Ward, L. G.(1984)Development and Validation of the Supervisory Styles Inventory. Journal of Counseling Psychology, 31,4. 541-57
福島哲夫 2016個別指導場面および心理療法場面における即時的効果測定としての経験サンプリング法に関する萌芽的研究 人間生活文化研究 26.346-348.
Hawkins,P. & Shohet,R.(2000) Supervision in helping professions, Second edition. Buckingham, UK: Open University Press.
平木典子2012 心理臨床スーパーヴィジョン-学派を超えた統合モデル.金剛出版
平木典子2015 スキルアップにつなげるスーパーヴィジョンとは何か? 臨床心理学, 15,6. 704-708
Newman, F.(2013)Training Cognitive Behavioral Therapy Supervisors: Didactics, Simulated Practice, and “Meta-Supervision”Journal of Cognitive Psychotherapy, 27, 1, 5-18(14)
鈴木理絵・福島哲夫 2015 心理療法場面におけるセラピストの感情コンピテンスの発達過程.日本心理臨床学会第34回秋季大会発表論文集,544.
Wahkins,C.E.,Jr. (1994) The supervision of psychotherapy supervisor trainees. American Journal of Psychotherapy, 48,417-431